U29 | Bogleheads®投資哲学リレーコラム「8.税金を抑える((節税メリットの活用)Minimize taxes)」

Bogleheads®日本チャプター: リレーコラム<vol.24>
2025年4月27日
インデックス大学生

Bogleheads日本チャプター U29のインデックス大学生です。(インデックス大学生さんの前回のコラムはこちら

いきなりですが、知識があるだけで得をしたり、身を守れたりすることが世の中には往々としてあります。特にお金の面ではそれが顕著です。スーパーの割引やスマホの通信費、投資の方法、公の補助金まで、知ることで得ができる事例はたくさんあります。

しかし、得することばかりに目を向けてはいけません。お得な割引を求めて隣町のスーパーまで歩いていくのは、時間的には割に合いませんよね。セール品だから、たくさん買えば(契約すれば)割引になるからといって必要以上の買い物をしてしまったり、「リターンが大きいから」とハイリスクな投資に手を出す…

これだと得をしているはずが、いつの間にか財布の中はすっからかんになってしまいます。それはなぜか?得を追うばかりで損失に目を向けていないからです。そもそも損失を抑えることができれば、それは得をしたこととほぼ同じです。3万円の損失を抑えられれば、それは3万円を得たのと一緒です。まずは財布のひもを締める、そしてその後に得を追う。穴の開いたバケツにいくら水をいれても水は溜まりません。今回のコラムではそんなバケツの穴である、税金についてお話ししたいと思います。

まずお断りしておくと、国の運営に税金は不可欠ですし、税金が絶対悪だとは僕は思っていません。また、違法な脱税を推奨するつもりもありません。しかしながら、日々の生活の中で税金がコストになるのは事実ですし、可能な限り節税をするのは納税者として当然の権利だと思っています。「節税は合法、脱税は違法」。この線引きを理解し、賢くお金を守っていくべきだと考えています。

「節税!?そんなの難しくて無理だよ!」という方も心配すること勿れ。当時大学生だった僕でも節税をした経験がありますし、投資には簡単な節税方法がいくつもあります。

さて、このコラムでは僕が自分で確定申告をし、税金の還付を受けた体験から、知ることで自分を守れると学んだことをお話しします。なので、これまでの僕のコラムと同様に、教科書的な説明は他の頭の良い方々や企業に任せることにして、僕自身の確定申告の体験を交えながら、コラムを書いていこうと思います。前置きが長くなりましたが、ここから本題に入りたいと思います。

前回のコラムを読んでくださった方には再三のお話しになってしまいますが、僕は今年、初めて確定申告をしました。僕は当時は大学生という立場ではありましたが、個人でデジタルコンテンツを制作し、販売するという仕事をしていたため、税制上、確定申告の必要がありました。

確定申告をする前は、「確定申告って面倒くさそうだな。」「できればやりたくないな。」などと考えていましたが、実際にやってみると思っていたより簡単で、半日ほどで作業が終わりました。

そして何より驚いたのが、確定申告の結果、約12万円の還付を受けられたことでした。源泉徴収で多くとられた分の還付という形でした。約12万円の還付を受けられることになったことを僕は一通り喜んだのですが、よくよく考えてみればこれは本来僕のお金です。しかるべき手続きをしたことで還付されただけで、本来は僕の手元に残るべきお金なのです。

さらにいえば、この確定申告をしなかった場合、この12万円は戻って来なかったことになります。それに気が付いた瞬間、僕は背筋が凍る思いでした。12万円が手元に帰ってこなかった可能性もさることながら、義務教育や公共の場にほとんど確定申告の情報が無い中で確定申告をしなければならない、さもなくば税金を多く取るという、その情報の非対称性に驚きました。

この経験を通じて、「知識が自分の身を守る」ということを学びました。いや、学んだというより、実感したという表現のほうがしっくりくるかもしれません。自分の顔スレスレにボールが飛んできて、「危なかった…」と安堵した感覚に近いです。そんな確定申告ですが、不幸なことに、毎年行わなければなりません。正直かなり手間だと思います。

しかしながら、投資には一度設定するだけでその後ずっと手をかけることなく、長期で節税できる仕組みがあります。それがインデックスの投資信託をNISAのような非課税制度を用いて、再投資型で購入することです。詳しい説明は割愛しますが、この方法で投資すると通常は利益に対して約20%の税金がかかりますが、それをほとんど払わずに済むようになります。しかも、確定申告などと違い、毎月や毎年、定期的に投資する仕組みを作ってしまえばその後はほぼノータッチで節税と投資ができます。

こうした投資の方法や知識について、僕たちボーグルヘッズはボランティアで情報提供や相談を行っています。知ることで得をすること、損を避けられることがたくさんあります。ご興味がございましたらぜひ我々の活動を覗いてみてください。

インデックス大学生

【追記】
先日ヨーロッパに旅行に行った際、お土産で折り畳み傘を買いました。その際に免税手続きをし、7ユーロほど免税してもらいました。これも個人でできる節税ですね。

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