U29 | Bogleheads®投資哲学リレーコラム「3.リスクの取り過ぎや、リスクを取らないことに注意(Never bear too much or too little risk)

Bogleheads®日本チャプター: リレーコラム<vol.19>
2024年11月9日
有坂まい

今年5月の「新社会人有坂まいさんのために、みんなでお金と投資、人生について話し合おう!」オンラインイベントでメンバーの皆さんにご相談させて頂いたBogleheads®︎日本チャプター U29の有坂まいです。

前回の堀内広輝さんによる「U29 | Bogleheads®投資哲学リレーコラム「2.早くから、かつ定期的に投資する仕組みをつくる(Invest early and often)」から少し期間が経ってしまいましたが、私たちの活動にご興味のある方は、いつでもご連絡ください。

さて、今回は投資哲学の3つ目『リスクの取り過ぎや、リスクを取らないことに注意』に関して、私なりに噛み砕いてお伝えしようと思います。 お伝えするにあたり、以下の3つに分けて話を進めていきます。

①リスクについて
②リスクを取り過ぎることについて
③リスクを取らないことについて

まず、①リスクについてというところから。 投資を始めるにあたって皆さんの多くが懸念される部分がリスクに関することではないでしょうか?

その最たるものが、お金を増やすために投資を始めたのに結果的に損してしまったらどうしようという懸念なのかなと思います(少なくとも私はそう考えています) 。

投資に限らず、人間誰しも好んでリスクを取ろうなんて考えていないはずです。 しかし、皆さんはこれまで生きてきた中で無意識にあるいは意識的に大小様々なリスクのある選択をしてきています。 例えば部活動や進路の選択など、何かを選択する際には必ずリスクが含まれています。 あまりしっかり意識することなく、生じるリスクが自分の中で許容できるかできないかという判断基準のもと、行動や選択を行っているのではないでしょうか?

投資の世界でも同じことが言えます。これをリスク許容度といいます。 リスク許容度とは、投資の際にどの程度の値下がりを受け入れることができるかという度合いです。 これは、各個人のステータスにより異なるため正解はありません。投資においてはこのリスク許容度というものが重要になってくると私は考えています。

そこで次の話②リスクを取り過ぎることについてお話したいと思います。 言わずもがなかと思いますが、リスクを取り過ぎることは好ましいことでありません。投資のリスク自体を過小評価しリスクをとったり、自身のリスク許容度から大きくズレた投資をすることは投資の失敗に繋がります。 なぜ、リスク許容度から外れた投資をすることは好ましくないのか、それは失敗した時に大きな精神的ダメージを受け、正常な判断が出来なくなるからです。

失敗を取り戻すためにまた無茶な投資をして失敗してという負のサイクルに陥る可能性も十分にあります。 とはいえ、リターンの大小が正確に推し量れない状況でリスクを取り過ぎる人間はなかなか居ないのではないかと思います。 あくまで自分のリスク許容度に沿った投資をすることが安定的で継続的な投資に繋がるのだと思っています。

最後に③リスクを取らないことについてお話したいと思います。 先程、好んでリスクを取る人間はマジョリティでは無いと述べました。

反対に、ノーリスクで投資をしたいという方は多くいるかと思います。実際に私もノーリスクで投資をしたい人間です。 しかしよく考えてみてください、全くリスクがなくお金が増えるなんて仕組みはあまりにも怪しいと思いませんか?ノーリスクでお金が増え続けるのであれば、誰もがその仕組みを利用してお金を稼ぎ、裕福な暮らしをしているでしょう。そんなおいしい仕組みはこの世の中にはないと私は考えています。

フェアな金融商品であれば、リスクとリターンは概ね比例関係にあると思います。 今後のことを考えて資産形成をしていくのであれば、目標とリスク許容度に応じてリスクを取ってリターンを得ることが近道になるのではないかなと思っています。

最後となりましたが、今回はBogleheads®︎投資哲学の3つめ『リスクの取り過ぎや、リスクを取らないことに注意』に関して述べました。

リスクと聞くと不安に思う方もいるかもしれませんが、投資をするにあたってリスクは必ずついてくるものだと思っています。そしてそのリスクはリターンに繋がるものでもあります。

無理してリスクを取ってリターンを得てください。と言っているのではなく、資産形成における目標を達成するためにはどの程度のリターンが必要なのか、そしてそのリターンにはどの程度のリスクが潜んでいるのか、そのリスクは自分が許容できる範囲なのかを考えてみてください。ということをお伝えしたいです。

長くなってしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。 これを機に投資に少しでも興味を持ってもらえると嬉しいです。

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