一本道でつながる投資のスタンダード(水瀬ケンイチ)

Bogleheads®日本チャプターリレーコラム 2022年3月12日

Bogleheads®日本チャプター設立メンバーの水瀬ケンイチです。私は会社員としてIT企業で働くかたわら、投信ブロガーとしてブログや本を執筆する活動もしています。2022年3月11日に、経済評論家の山崎元氏と共著で「全面改訂 第3版 ほったらかし投資術」(朝日新書)という本を上梓しました。

 インデックス投資をテーマにした本なのですが、実は、その本の最終章には「バンガード撤退後のインデックスファンドの未来」という章があり、Bogleheads日本チャプターが登場しています。Bogleheads日本チャプター代表の金野さんをゲストにお呼びして、著者たちと対談するという趣旨になっています。バンガードの中から見た日本のインデックス投資黎明期、日本のインデックスファンドの発展の歴史、「新NISA」制度の評価、インデックスファンドの未来などについて存分に語り合っています。

 その中で当Facebookページでも紹介している「Bogleheads 10の投資哲学」も取り上げています。
1.実行可能な計画をたてる
2.早くから、かつ頻繁に投資する
3.リスクの取り過ぎや、リスクを取らないことに注意
4.分散
5.マーケットタイミングを探らない
6.インデックスファンドを活用する
7.コストを低く抑える
8.税金を抑える
9.シンプルな投資
10.航路を守る


 この「Bogleheads 10の投資哲学」の内容は、いわゆる「長期・分散・低コスト」という基本を含め、個人投資家のための投資戦略のスタンダードになっています。「ほったらかし投資術」は2010年の初版から増刷と改訂をくり返してきましたが、12年前からインデックス投資について書いてきた本の内容と、「Bogleheads 10の投資哲学」の内容が、ほぼピタリと一致するのは偶然ではないと思います。

 洋の東西を問わず、合理的で再現性がある個人投資家向けの投資方法を追求していくと、一本道のようにほぼ同じ結論に到達するのがとても興味深いです。何事もそうですが、定番には定番たる理由があります。当Facebookページの2021年10月30日~2022年1月8日までの間の投稿に、「Bogleheads® 10の投資哲学」の詳しい解説があります。これから投資をはじめようという方々は、ぜひ参考にしてみてください。